どうも、たかまる(@takamaru_slot)です。
今回は、何故スラッシュATは生まれたのか?そして今の低ベース化機種はどういう仕組みになっているのか?
その辺にスポットを当てて解説していきます。
スラッシュATが生まれた経緯
5.5号機以前の機種は特定の打ち方をしないとユーザーが損をする、いわゆる「ペナルティ」が当たり前だったんだけど、2014年頃に「ペナルティ禁止」が発令されました。
厳密には試験方法の変更など複合要因はあるけど、実質「ペナルティ」禁止には違いないのでここでは「ペナルティ禁止」として扱います。
それ以前は、左第一停止の押し順役がほぼ出現せず、それ以外の押し順役に大幅に偏らせる事で、「低ベース」を実現していましたが、この押し順役を偏らせる仕様が禁止になり、実質高ベース化を余儀なくされる事態に陥りました。
余談になるけど、このペナルティの歴史は結構古くて、僕が認識している限り一番最初の機種は4号機の爆裂AT「サラリーマン金太郎」で、今から20年以上前の機種になります。
この前の爆裂ATは獣王になる訳だけど、獣王には目押しをしないとAT役が取れないという弱点があったんですね。
獣王の純増は約10枚で、ほぼ毎ゲーム15枚役を成立させないとこの仕様は成立しませんでした。
純増10枚に加え、ベースを30G前後に持ってこようとした結果、左3択、中2択、右2択の計12択になった訳です。
サミーとしては、ユーザーを限定させてしまう目押しを要求させる仕様は望んでおらず、目押し不要機種を考えていた訳ですが、目押し不要でATをさせようとすると押し順しかありません。
しかし、押し順には「6択」という限界があり、ベースが高くなりすぎて、ボーナス確率が低くなる、AT確率が低くなる等の欠点がありました。
そこで考えられた仕様がこの「ペナルティ」仕様です。
サラリーマン金太郎は6択押し順(5択だったかも)でありながらも、ほぼ中左右、中右左、右左中、右中左の押し順役が成立していて、通常時は変則押しした方がベースはあがるけど、以降何G間AT抽せんをしない事や、この区間にBIGを引いたとしても高確が消滅するなどのペナルティがあったんです。
こうする事により、ベースを30G前後に維持しつつ、目押し不要という仕様を実現させたんですね。
そこからアラジンAなどに繋がり「サミー絶頂期」が訪れる訳ですが、マジでこの頃のサミーの開発陣は天才だった。
僕自身大好きだったし、みんなサミーの機種ばかり打ってた記憶がある。
そんな・・・そんな大好きなメーカーが・・・
どうしてこうなった。(真顔)
変に優等生ぶりだしてからおかしくなった気がしますね・・・。
会社がでかくなるとこうなっちゃうのかね。おじさんは悲しいです。
さて、話が逸れすぎたので戻します。
そんなペナルティが禁止され、メーカー側は二つの選択を迫られる事になります。
・高ベースAT機
・低ベースA+ART機
前者は「麻雀物語3」、後者は「まどかマギカ2」などになります。
今まで通りの仕様でペナルティだけ無し、その変わりベースが高くなった劣化版AT機と、ベースは34G程度だけどボーナスを入れたA+ART。
A+ARTに関してもペナルティ無しだけど、これで低ベースが可能なのは当時の試験にも絡んでるので詳細は省くけど、簡単に言うと小役とボーナスの合成で実質高ベースになり試験をクリアしてる感じです。
そんな中なんとか「低ベースAT機」を実現できないか考えたメーカーがいました。
それが「KPE」。
それを実現した機種が「ガンゾード」であり、その次の「サイレントヒル」に繋がる訳です。
「繋がる訳です」と言われても「そんな台知らねーし」というと人ちょっとまった!
ちゃんと説明します。
簡単に説明すると、
・左リールにBARを狙うと1枚役入賞でAT抽せん優遇
・左リールにBAR以外を狙うと9枚役入賞でAT抽せん冷遇
つまり、BARを狙うとAT抽せんが受けられて激しい波になるけど、狙わないと高ベースになって緩やかな波になる。
これだけの事なんだけど大事なのは、どっちを狙ったとしても「ほぼ出玉率が同じになる」という事。
「ほら!どこ狙っても出玉率は同じじゃない!だからペナルティじゃないでしょ!」
というのがKPEの言い分で、これが「スラッシュAT」です。
ちなみに、知らない人多いと思うので書くけど、最近撤去された番長3も実は「スラッシュAT」です。
あれもBAR以外を狙うとチェリーが入賞しなくなっていて、その代わりベルが入賞するシステムになっているんですね。
ようは、ベースは低くなるけどチェリーを取ってART抽せんを受けるか、入賞の多いベルを取るかっていうゲーム性です。
番長3の場合は、RTが複数あって複雑な事をしてるのだけど興味ある方は調べてみてね。
スラッシュATにはもう一つ重要な要素があって「当該G以外影響を受けない」というのがあります。
これはどういう事かというと、旧ペナルティは複数Gに渡ってAT抽せんを受けないなどの処置があり、例えば嫌がらせで1G変則押しをしてやめた際、次に座った人は数G間AT抽せんを受けれない区間が存在する。
これに対して、スラッシュATは当該G以外ペナルティを受けて「そこだけで完結する」という大きな違いがあります。
スラッシュAT禁止へ
ちょっとうろ覚えですが6号機らへんからスラッシュATが禁止されました。
しかし、それに近いような仕様は何機種が出ています。
・チェインクロニクル
・蒼天の拳3
スラッシュATは、狙い位置によって枚数が少ない小役と多い役とでATの抽せん確率が変わるという物でしたが、こちらはリアルボーナスが高確率で成立していて、入賞させるとボーナス中はAT抽せん無し、回避させると通常遊技みたいな感じです。
これだけ聞くと「いや、ペナルティですやん!」となると思うんですが、ボーナス中は「コインは実質減らないんだからペナルティじゃないっしょ!」理論です。
※コインが減る機種は、通常時よりは確実にコイン持ちがアップしていて、その分AT抽せんが冷遇されている可能性大。
大分最近にはなりますがガメラもそれになります。
スラッシュ解禁へ
6.2号機になり、スラッシュ・・・というよりペナルティの規制緩和がありました。
これにより登場した機種は2タイプあって、
・少ない枚数の小役と多い枚数の小役が同時成立していて、ナビにより少ない枚数を取らせるタイプ
・5号機と同じような左第一停止推奨タイプ
前者は北斗宿命や鬼浜で、後者はチバリヨや沖ドキDUO等です。
しかしながら、北斗宿命などを見ていると、ペナルティをしまくった場合、AT当選時に明らかに単発が多いなどの報告が多い為、スラッシュATの原則である「当該G以外影響を受けない」は満たされていないように思います。
なのでユーザー目線では、4号機、5号機で使われていたペナルティが「復活した」と見ていいでしょうね。
今後について
規制が変更されない限り、「左第一停止推奨タイプ」の低ベース機がメインになるでしょう。
というよりこれしか出ないんじゃないかな?
規制変更前で間に合わなかった機種は、若干ベースが高いやつはあるかもしれないけど。
よく「6号機で2400枚しか出ないのに低ベースとかマジ終わってる」とか言う人がいますが、確実に「低ベースの方が面白い」です。
なので、よくなる方向に進んでいるのは間違いないです。
もし、低ベース機種の受けが余りにもよくなかった場合は、高ベースにすればいいだけの話だし。
何故低ベースの方がいいのか、何故「マジ終わってる」と感じてしまったのかは、色々複合要因があると個人的には思ってるので、その辺はまた別の記事で書きたいと思います。