どうも、たかまる(@takamaru_slot)です。
スロットの出玉設計は大きく分けて「ベース(コイン持ち)」、「大当たり確率」、「大当たり時の出玉」の3つで出来てます。
なので「ベース」が上がったら「大当たり確率」を下げるか「大当たり時の出玉」を下げるしかありませんし、逆もしかりです。
凄く当たり前の事ですが大事な事です。
今回は、この出玉バランスについて6号機初期から現在の6.2号機でどう変わっていったか、更にその後どういう出玉バランスになるのかを記事にしてみました。
6号機初期の高ベース時代
6号機初期は試験方法のせいで高ベースを余技なくされた為、出玉設計の一つである「ベース」に出玉を大きく取られてしまい「大当たり確率」、「大当たり時の出玉」を下げざるをえませんでした。
この結果、大きく分けて2種類のタイプが生まれました。
①大当たり確率はそれなりで大当たり時の出玉は少ない
②大当たり確率は低く、大当たり時の出玉が多い
①に関してはどうにもならない機種であり、ガチのクソ台な為、ここでは②に関して説明します。
レア役が仕事しない問題
そもそも、大当たり時の出玉が多いといってもどれぐらいかで変わるんですが、ここでは約600枚とします。
ベースが50Gで大当たり時の出玉が600枚とすると、出玉率が100%と考えた場合の初当たり確率は1/600になります。
実際は100%より下げなければならないのでもっと低いです。
初当たり確率が1/600以下の台となると、とにかくレア役が仕事しません。
更にレア役以外の当たり(ゲーム数解除等)を持ってる場合、強レア役を引こうが空気になります。
そこでメーカーは、大当たりまでの繋ぎとして「CZ(疑似ボーナス等含む)」を経由する、いわゆる突破型の台を作るようになりました。
こうする事により、レア役が仕事するように見せたんですね。
あくまでレア役が仕事するように見せてるだけで当たりまでの距離は変わりません。
が、見え方は変わります。
・強レア引いて大当たり期待度10%
・強レア引いてCZ当選率33%で、CZ当選時は大当たり期待度33%
前者はCZがない場合で後者はCZありです。
前者の場合、とにかくレア役が仕事しない為、煽りもできません。
その分後者はCZ当選率が33%ある為、前兆ステージ行ったりだとかで煽りがやりやすく間が持ちやすいんですね。
天井が浅い問題
メーカー側が突破型にした理由もう一つあって、それが天井の存在です。
6号機初期は有利区間が1500Gだった為、天井を浅く(AT中の純増枚数にもよりますが)設定せざるをえませんでした。
仮に800Gが天井で初当たり確率が1/600だとしたら、天井以外で当たる確率が著しく低くなります。
天井以外で当たる確率が低くなるという事は、レア役引いても何も起きないという事です。
上ではわかりやすいように、強レア役で10%と書きましたが天井が800Gの場合、5%ぐらいかと思います。
「じゃあ天井なんていらねーよ!」
といった意見もあるかもしれませんが、僕はそういうユーザーや開発を死ぬほど見てきました。
結果、天井無しの機種を打つと、ほとんどの人が、
「きつすぎるわ!なんで天井ねーんだよ!」
と言ったブーメランが返ってきたのをよく覚えてます。
天井が無い機種ばかりが溢れている状況であれば、天井が無くてもすんなり受け入れられると思いますが、現状は天井が付いてる機種が当たり前になっているので、天井の無い台は受けいられないと僕は思ってます。
「突破型は辛いしもう飽きたから、AT直行の台出してくれ」等の意見をよく見ましたが、それでも突破型が多かったのは上記の理由からです。
「作らないじゃなくて作れなかった」んですね。
大当たり直撃にさせてもTY(獲得枚数)を保つ別の方法
ここまで書いといてなんですが、大当たり直撃だけにさせても、突破型と同じようにTYを保つ方法はあります。
それは、「大当たりしてもほぼ駆け抜ける仕様にし、特定のトリガーを引いた場合だけ出る」というやり方です。
一見突破型には見えませんがやってる事は突破型と同じです。
ただ、駆け抜けた時に100~300枚程度ブレがあるのと、特定のトリガーが分散してるのでそう見えないんですね。
5号機で例えると番長3なんかがまさにそれで、基本的には1日目の轟大寺に全てがかかってますが、それ以外にもループストックでの事故や初期ストックの事故などがあり突破が分散してる感じです。
ただこのやり方にも弱点があって、駆け抜けた場合でも100~300枚とそれなりに出てしまい、そこに出玉を食われてしまいます。
結果、本当の突破までが果てしなく遠くなり無茶苦茶きつく感じます。
番長3の場合はそもそも2400枚の上限が無い為、そこまで問題はないですが、6号機の場合だと出たとしても2400枚なのでキツさに拍車をかけることになります。
そうするよりかは、わかりやすくCZを突破すればある程度まとまって出玉を出るようにしたのが、メーカーが取った選択だったのだと思います。
6.2号機の低ベース時代
6.2号機になり、ざっくり以下の規制緩和がありました。
・有利区間が3000Gへ増加
・試験方法、ペナルティ規制緩和
これによりメーカー側が6号機から滅茶苦茶やりたかった以下のような事が可能になりました。
・低ベース化
・天井を深くする事が可能になった
・初当たり確率の向上
・CZを経由しない大当たり直撃仕様
・沖ドキのようなヤメれない仕様
しかしながら6.2号機当初の機種は、かなりの顰蹙を買いました。
特に「低ベース」と「天井が深い」点です。
低ベースといっても32G程度だし、天井が深いといっても1200G程度なので別に普通です。
但し6号機となると別です。
6号機初期は有利区間が1500Gと少なかったせいで、天井を低くせざるをえませんでした。
本来、天井が800Gなんてものは低すぎなのもいい所で、滅茶苦茶出玉を食われます。
ほとんど天井で当たる台よりそれ以外で当たる方が面白いのは間違いないんですが、天井が浅い台や高ベース機ばかり出たのが6号機です。
これによりユーザーは浅い天井や高ベースに慣れちゃってたんですね。
また、本来「天井が浅い」事や「高ベース」というのはユーザーにとってプラスの要素という点も大きいです。
それが初当たり確率やTYに大きな影響を与えてしまい、結果的にクソ台になる事を開発側はわかっていますが、ユーザーはそこまでわかってません。
「初当たり確率が高くて、ベースが高くて、TYが高い機種を作れや」
こういう無茶苦茶な要求をするのがユーザーです。
にも拘わらず、それを無視して一気にやったもんだから「2400枚しか出ねーのに低ベースだし、天井深いし6.2号機きつすぎるだろ」と言われる結果になった訳です。
そういう面では、番長ZEROの天井600Gというのは英断だったと思いますね。
今後の出玉バランスについて
一番最初に「スロットの出玉設計は大きく分けて、「”ベース(コイン持ち)”、”大当たり確率”、”大当たり時の出玉”の3つで出来ている」と書きました。
これは事実なんですが落とし穴があります。
6.2号機になりベースを低くできるようになったという事は、大当たり確率や大当たり時の出玉に割けるので必然的に出玉が粗くなります。
ですが、6号機の粗さには限界があります。
以下のパターンを見てください。
パターンA:ベース30G、大当たり確率1/240、大当たり時の出玉、400枚
パターンB:ベース30G、大当たり確率1/900、大当たり時の出玉、1500枚
ベースが低くなった分、それらを大当たり確率と大当たり時の出玉に割り振ったものですが、二つのパターンは全く違います。
パターンAはベースの分を初当たり確率に振ったものでパターンBは大当たり時の出玉に振ったものです。
当然、AT機では粗い機種、つまり夢のあるパターンBの方が支持されますが、こういった極端に粗い機種は作るのが難しいです。
これは出玉の配分では同じでも、保通協の試験適合率に影響してくる為です。
5号機の時はこういった粗い機種でも試験方法が6号機より緩かった為なんとか通せましたが、今は5号機の比じゃないぐらい厳しいのでパターンBのような機種が非常に辛くなってます。
今後は有利区間が撤廃される方向で業界が動くと思いますが、仮に撤廃されたとしても試験方法が変わらない限り、パターンBのような機種を作るのは難しいと思います。
とはいえ、アラジンクラシックや沖ドキ、チバリヨなど射幸性が高い機種が出てきてるので、この辺りまでならギリギリ作れるといった感じなのかな。
その反面、高設定の出玉率が低くなりがちだけど、高い出玉率より射幸性が高い機種の方が業界の為に向いてると思います。
出玉率が高い機種を否定する訳じゃないけど、そういう台ってイベントの時に朝一だけ軍団に判別されてその後動かない事が多いから通常稼働では動きづらいんですよね。
「出玉率が高いから打つ」じゃなくて「面白いから打つ」そういう台が今後増えてくる事を願ってます。